週末のできごと : ノートパソコン

家族でノートパソコンを見に行くことにした。

 

コロナのロックダウンで学校がオンライン授業......

 → 濃厚接触者になった娘は自室隔離を経て部屋に引きこもるようになり

 → 息子はノートパソコンに一日中かじりつくようになった。

 

家族が一日中顔を付き合わせることで、これまで表面化していなかった問題が出てくることは予見でき、それなりに上手く対応はできたけれど。

娘の引きこもりと息子のパソコン依存は想像していなかったし、一度おちいった沼から出てくる事はとても難しかった。

 

そのうち娘も課題でパソコンが必要になり、息子とノートパソコンの取り合いをするように。私もキッチンで使いたいが仕方なくスマホの小さな画面で作業をする。

それで夫に「ノートパソコン、もう一台必要かな。娘も学校で必要な時があるし」と言うと、意外と乗り気だった。

 

それで急きょ週末に見に行くことにした。

下調べも何もしていない。日曜の朝、ノートパソコンの種類が多くかつ安くなっていそうな店を探し見に行った。

 

にも関わらず夫は、娘が「これがいい」と断言したノートパソコンをその場で購入しようとする。

パソコンをもう一台買おうと言い出したのは私。

娘が選んだ Microsoft のノートパソコンも、私が友人から聞いて「良いみたいだね」と言ったもの。

でも、私の中で何かが違うと言っている。救急車のような赤いサイレンが回っている。

「そもそも、新しいノートパソコンを娘のために買う、といつ決めたの??」

 

娘のスマホ依存も同じ。ある時、夫が古い iPhone を娘に「使うか?」とひょいとあげ、引きこもり期間中に家の WifiYouTube を好き勝手に見るようになった。部屋から出てこない娘に夫が激怒し、 iPhone を取り上げようとしてももう遅い。

「窓から飛び降りる」と泣き叫ぶ娘に何も手立てはない。

 

夫はいつも、即断即決したい人。めんどくさがりで、じっくり選ぶこともなければ次の週末にまた戻って買うなんて手間はありえない。

「買うことを前向きに検討する上でお店に足を運んだ」私に対し、終わらせてしまいたい夫。

これまでも何度も様々な場面で、急かされ、失敗して嫌な思いをしてきた。いつも消化不良な気持ちを抱えてきた。

 

私はこれまで何度も何度も嫌な思いをしてきて「あの時はまともな判断ができなかった」と、とても後悔する。それなのに「どうせ買うつもりだったのだし、今買っても後で買っても同じ」「まあいいや」を繰り返してきた。

大げさにではなく、本当に体が痺れて脳が麻痺して「それで良い」が出てくるのだ。

 

だから何よりも、自分自身があの場でそれを瞬時に感じることができ、「今この場で買ってはいけない!」と阻止できたことは何よりもすごいと思っている。

 

結局、娘が選んだものを買うことにした。

さらに娘が絵を描くのに欲しがっていたタッチペンも買う。

でもそのために、パソコンとスマホの使用ルールを(今さらながら)しっかりと決めた。

使う時間、使い方、どのように家族と共有するか。

家から持ち出すときのルール、お互いの承認。

 

娘はこれらをワードでタイプし、私がそれを元に文を具体化させ契約書のような体裁に整え「これらルールは相互の同意で変更することができる」という一文も加え、PDF化してドライブ保存した。

 

一筋縄ではいかない娘は、書面化しようが何しようが『パソコンが手に入った』時点で約束を破る。だから、最初が肝心なのはこれまでの失敗から学んだ。

ルールを守れなかった最初の時点で、しっかりと釘を刺さないといけない。気は抜けない。

それでも、二人でルールを考え決め、お互いに承知したという一歩は大きい。

 

そして、息子のパソコン・スマホルールも同じように作るきっかけとなった。

息子のルールは娘のような文章化ではなく、

 

まず「今の使い方」を使う時間帯ごと表にして視覚化することで

いかに朝から晩まで食事中でさえデバイスに没頭しているか本人も自覚することができた。

 

そして表の右に「これからの使い方」を提案し、息子の意見も取り入れながらお互いが納得できるルールを書き出した。

 

例えば、これまで息子は朝起きてすぐ寝ぼけ眼でパソコンを探して YouTube を見ていたので

 

・起きてすぐ、まずは外の空気をゆっくり目一杯吸って吐くこと

・10分 本を読み、10~15分 学習をした後は、食事を食べる時間以外は好きに見て良い

 

 

こうして日記に書き出すと、私は自分が思っているほどにダメな母親でもなく、割と考えながらやっていることが自分にも分かる。

自信の糧になる。