はじまり

もともとは、ロックダウン中に思春期に突入した娘が心配になった。

思ったことをパッと口にしてしまう夫と娘の関係も心配だった。が、それは私が常に間に入れば何とかなった。

それよりも、娘の言動が発達障害から来ているのではないかという思いがより強くなったのがカウンセリングを受けようと思ったきっかけだった。

 

思っていること全てを話せる訳ではなく何も解決はしなかったが、話を聞いてくれる人がいる、それだけで気持ちがとても楽になった。カウンセラーと話しているうちに、娘は発達障害の傾向はあるかも知れないが、今はそれよりも思春期特有の言動の方が強いのでは、と思えるように。

 

それから、自分のことも相談してみることにした。

どうしてこんなに劣等感が強いのか。自分を否定する気持ちが拭えないのか。

惨めで辛くて、役目が終わったらさっさと家から出て行きたくて仕方ないのか。

 

それを掘り下げていくうちに、カウンセラーが言った「旦那さんは、アスペルガー症候群の可能性がありますね」で、瞬時に驚くほどにスッキリし納得し溜飲が下がることに。

いや、そうではないかと思った事はあったけれど、夫は絶対に認めないだろうし、そもそもカウンセリングを受けに行くなど想像もつかないので全くの他人事だと思っていた。夫のアスペルガーもそうだけれど、何より自分の状態がカサンドラ症候群で説明が付くではないか、とそこまで納得がいった瞬間だった。

この時の瞬間を私は「アハ!⭐️の瞬間」と名付ける。

この後はもう、自分の劣等感から重たい気持ちの何もかもが全て消え去り、呪縛が解けてとにかくハイの状態だった。後からぶり返しそうで怖いと思いながらも、とにかく気持ちが常に軽く浮かんでいるように感じられた。

 

しかし、心配していた通り気持ちのぶり返しはやってきて、動けない日々も過ごすようになる。

全てはまだここ数ヶ月の話だ。

 

今はまただいぶん落ち着いて来た。

私の心はこんな波を越えた。

・私の鬱蒼とした気持ちの原因が分かった!(アハ!)

→ ・原因が分かったのだから、長期戦になってもこれまでよりは良い対応ができる

→ ・夫の態度はアスペルガーからきている。〇〇のように対応するのが良い

→ ・これまで気付かなかった、様々なアスペルガー的側面が見えるようになりイライラが募る

→ ・少しずつ言葉で伝えるようにする、が目に見える変化はない

→ ・変化しない事にイライラ、伝わった事に対しては「今まで自分が伝えなかったのが悪かった」と自己否定

→ ・全てを夫のせいにしたい、が夫は「完全の悪」ではない事を知っているので怒りは自分に跳ね返ってくる

そして今は、物事を「良い・悪い」で判断するのではなく、私は「どう思ったのか、どう感じるのか」を大事にしよう、とようやく思えるようになった。

それはつまり、「ご飯が美味しくない」と言われて、「まあ確かに美味しくないご飯を作った私が悪い」と思うのではなく「そんな事を言われてとても嫌な思いをした」と主張する、という事。

 

「自分の気持ちを大事に」なんて、言い古された言葉であるのに、どうしてこんなにも難しいのだろう。いつしか私は、自分の気持ちは隠すものだ、と「学び」ながら成長してしまったらしい。だから、今では自分の気持ちが何なのかさえすぐに感じることができなくなってしまった。

自分の気持ちをゆっくりと探り消化しながら、気持ちは自分だけのものだから、大事に大事にしようと思う。自分の気持ちを見つけるため、私もそれなりにやっているよ、と覚えておくため。 日記をつける。